父はライカに憧れていた
晩年に 衰えて来た父を励まそうと
父のマミヤもキャノンも手放して ライカを買おうと思った
すっかり視力の衰えた父には荷が重かったのだろう
要らないと言われた。
「お前には袖も着丈も短い」と評されても、欲した若い妻は、
気力財力が 衰えた頃 父より若い恋人を得て去って行き
その後 病いから不随になった父は 自分を恥じて 鏡を見なかった
堅実な人生を歩まなかった父
父に振り回され 父を許さなかった自分は
自分流に生きても良いと、父に許されたていたのだった